局所空調による温度差
局所空調では空調室と非空調室に温度差を生じます。温度差は建物の断熱性能(Q値)のほか、建物内部の間仕切壁の熱貫流率や、室内の空気の流れ(対流)によって発生します。
建物内部の気流は内部建具の開閉によっても異なり、一般的な違いをモデル化することはなかなか困難なので、右の図のように各階田の字型に区画されたモデルを想定し、その1室または2室に熱源を置き連続運転または間歇運転したときに各部屋がどのような温度になるかをシミュレーションしてみました。
右の図は1室を連続暖房するときのイメージで、外気温度が常に 5℃のとき、2階1の部屋を常時20℃に保ちます。そのとき、各部屋の温度は構造区分やQ値と暖房方法が変わるにしたがって下のグラフのように変化します。 |
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このページではRCの建物を連続空調したときの結果をグラフに示しました。連続空調では
室温の変化はなく最高温度も最低温度も一定になります。
間歇空調では熱容量の差(つまり外断熱工法と内断熱工法の違い)で温度差が現れますが、
連続空調したときには温度分布に違いは現れません。
なお、木造の建物では間仕切壁や床の熱貫流率が小さい(熱を通しにくい)と考えたため、
連続空調しても温度分布が異なることになりました。
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全く空調しないとき、部屋の温度は外気温度とほぼ等しくなります。
実際には内部発熱(生活に伴う照明・家電製品、人体などからの発熱)や日射などによる室温上昇で室温は外気温度より数度高くなります。
全館連続空調すれば屋内の温度はすべて暖房設定温度になるまで暖められますが、局所連続空調では暖房室だけが暖房設定温度まで暖められ、非空調室は暖房室からの熱伝導や対流によって外気温度と暖房設定温度の中間温度に暖められます。
上のグラフは、1〜2室を連続暖房したときにQ値と暖房の仕方によってどれくらいの温度まで暖められるかを示しています。 |
2ページ後にある木造住宅を同じ条件で空調したときの温度分布に比べて、RC住宅では空
調室と非空調室の温度差が小さくなります。これは木造建物の構造材や間仕切り材がコンクリ
ートに比べて熱を伝えにくいことが原因です。
したがって、コンクリートの建物をスポット(局所)的に空調しようとしても多くの熱が建
物内の非空調室を暖めることに使われます。
非空調室を暖めるために使われるエネルギーの比率が大きいため、鉄筋コンクリートの建物
は木造建築物に比べて局所空調に適していないと言えます。
ここに示したグラフからは1室空調と2室空調を比べれば2室を空調するときが、また同じ
数の部屋を空調するときにはQ値が小さいほうが非空調室の室温が空調室に近づきます。
例えば、2室空調連続でQ値5.0W/m2・Kの場合とQ値1.5W/m2・Kの場合では全体の室温の
平均値は約14.5℃と17.5℃と3℃の違いがあります。
平均室温が3℃高いということは建物の床面積の 1/8を占める1室を外気温( 5℃)から空
調温度に暖める効果以上のエネルギーが建物に余分に残っているということです。
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